拡散するプロローグ-2.14

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「お待たせですっ、鈴愛」 声は店の奥まで聞こえてくる。そんな大声で名前を呼んだら、普通は誰かにスーパーアイドルが居ると気付かれそうなものだが、その心配は杞憂だろう。何故なら芸名は「アイリィ」だからだ。 どうやら本名を知る者はマネージャーであるフィリアや徒然猫の従業員など、ごく僅かしか居ないらしい。 普通のアイドルなら本名や年齢を隠していても直ぐにバレてしまいそうなものだが、鈴愛には全くそれがない。そればかりか、出身地、生年月日、居住所など、殆どの個人情報が知られていない。 凄まじき情報保護能力である。その辺はフィリアの得意分野なのだろう。これには素直に脱帽する。
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