序章 初夏の風

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「よっ、こいしょ。……ふぅ」 またひとつ段ボールを積み上げる。少しずつ個性をなくしていく、この部屋を見渡して、ここで過ごした8年程の時間を懐かしむ。 「もう8年になるか…。高校を卒業して、大学行って、この部屋に来て…。なにがあったか、今は芸人。まったく人生ってのはわからないな。」 そんなことをつぶやきながら、次の荷物に手をかける。俺は今、引っ越しの準備の真っ最中である。
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