第1話

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「今日からこちらに配属になりました、遠山奏音(とおやまかなと)です。よろしくお願いします」 おかしい。 ここはいつものオフィスのはず。 なのに、小動物のように愛らしい笑顔の男の子(という歳でもないけど)が朝礼で挨拶をしている。 女ばかりじゃない、男性陣も突然現れた遠山奏音なる生き物に一瞬で虜にされたようだ。 今年、研修を終えたばかりの新人が、ここ営業2課には2人入ってきたわけだが…… 1人目のインパクトが強すぎて、次に挨拶をした子の存在感がかき消されてしまっている。 さらに驚くことに、その謎の生命体は私の上司に連れられて私のデスクがある第4グループへと近付いてくる。 そして、私の向かい側でピタリと止まった。
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