第1話

5/13
前へ
/543ページ
次へ
「じゃ、じゃあ涼音ちゃんも自己紹介してくれるかな」 「あ、はい。羽月涼音(はづきすずね)、入社3年目です」 私は苦手ながらも頑張って笑顔を作った(つもり)。 「俺と涼音ちゃんが仕事のこと色々教えていくことになるから、わからないことがあったら何でも聞いて」 リスこと遠山くんの、そのパッチリとした瞳が私を捉える。 「はい!ご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いします」 あら、見た目に反して礼儀正しいんだ。 最近の若い子は~みたいな愚痴を言うことになるんだと思っていたのにな。 「じゃあ遠山くんは――」 「奏音って呼んでもらって結構ですよ」 前言撤回。 「僕、奏音って名前好きなんで」 .
/543ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8552人が本棚に入れています
本棚に追加