第1話

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「遠山くん――」 「奏音です、先輩」 「か、奏音くん、私はミーティングがあるから、とりあえずパソコンのセットアップをしておいてくれるかな。手順書はこれだから」 ちょっと調子を崩されそうになりながらも、何とかいつもの私でいようと努力をしてみる。 当の奏音くんは元気に「了解っす」なんて言って…… くそっ、かわいいなコノヤロー。 そんなことは顔に出さないように、私はミーティング用の資料を手に少し早足で会議室に向かった。 「涼音ちゃん」 会議室の手前で呼びかけて来たのは瑞樹先輩だった。 「新人くんの教育計画書、メールで送っておいたから見ておいてくれるかな?」 「あ、はい、わかりました」 .
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