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「遠山くん――」
「奏音です、先輩」
「か、奏音くん、私はミーティングがあるから、とりあえずパソコンのセットアップをしておいてくれるかな。手順書はこれだから」
ちょっと調子を崩されそうになりながらも、何とかいつもの私でいようと努力をしてみる。
当の奏音くんは元気に「了解っす」なんて言って……
くそっ、かわいいなコノヤロー。
そんなことは顔に出さないように、私はミーティング用の資料を手に少し早足で会議室に向かった。
「涼音ちゃん」
会議室の手前で呼びかけて来たのは瑞樹先輩だった。
「新人くんの教育計画書、メールで送っておいたから見ておいてくれるかな?」
「あ、はい、わかりました」
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