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「ねえ!」
彼が不思議そうに振り向く。
「これ、ありがと」
「……」
「それから遊園地も……ありがとう」
別に大したことは言ってないのにすごいエネルギーを消費した気がする。
リスは少しきょとんとして、それから何も言わずに背を向けた。
おいおい。
人がせっかくお礼言ってんのに無反応かよ。
「ちょっとー何とか言いなさいよ」
深夜のマンションに私の声が響いて、その残響が消える頃、やっと彼は立ち止まった。
「俺、ウソついた」
「は?」
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