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涼音、こんな態度はいかんよ。
瑞樹先輩に心配されてしまうよ。
……でも、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、心配してくれないかな。
なーんて、そんなことを考えるなんて私ってダメだなぁ。
「羽月さん、ここに印鑑」
「えっ、あ、はい」
ぼーっとしていると、目の前に書類が差し出されて、総務のお姉さまが私を見下ろしている。
明らかに敵意が込められた目で。
なぜに。
とりあえず、慌てて印鑑を押して書類を返すと、お姉さまは"ふんっ"ってな効果音を鳴らしながら去っていった。
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