This Paint is red

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「さぁ坊ちゃん、こちらですよ」 エヴァルに誘導されるがままにアリウは歩いていった。 そこは体育館で、たくさんの人がイスに腰掛けていた。 「イスまでお連れしますので、名前を呼ばれたら返事をしてください。あと、ちゃんと喋る用の紙をもってくださいね」 親のような口ぶりのエヴァルにアリウは虫を払うかのように手をぶんぶんと振った。 「お前は僕の親か!?……大丈夫だ。だまって見てろ命令だ。」 「承知しました。黙って見ております」 入学式が始まり、先ほどまでの騒がしかったあの空間が恐ろしいほどまでに静まり返っていた。 「新入生代表。アリウ・シェーナ」 「はい!」 アリウは座席を立ち、在校生の目の前においてあるマイクの前に立ち、制服のポケットに入れてあった紙を取り出した。 「私たちは今日この日を待ち望んでおりました。この学校では―――――――」 挨拶を終え、イスに帰ろうとしたとき、ふと、手を振るアリウで言う先輩が手を振っていた。 (知り合いだったかな??……いや、知り合いなんていないし……) そんなことを考えながら、その少女を凝視する。 灰色のスカートに黄色のベスト、中に着込んだシャツは肘までまくられていて、目は緑色で、それに合わせたかのように髪はきれいな茶色だった。 さらに謎を呼んだのは、少女の顔には黒い二つの星が頬についていた。 (まぁ生活してればなんて名前なのか分かるよな……) アリウは席に戻り、入学式が終わるのを退屈そうに待っていた。
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