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先生が教室からでていくと、アリウはあっという間にクラスメイトに囲まれた。
「なぁ、外国人??」
「さっきのって手品?」
「そこの人ってガードマン??だったらどっかのお坊ちゃんなのか?」
「入学式の挨拶する人って入試一位の人だよね?すっごーいっ頭いいのね!」
――などの質問攻めにあい、アリウはうつむいたまま肩を震わせていた。
つまり怒っているのだ。あまりにも質問が多すぎて、クラスメイトに苛立ちを感じていた。
さすがにエヴァルはヤバイと思ったのか、アリウのそばまでやってきた。
「坊ちゃん。あちらに行きましょう」
「エヴァル……お前、遅すぎるぞ!!」
「申し訳ありません。あまりにも込み合っていたので」
エヴァルはそのままアリウの手をひくと、教室の外まで誘導して行った。
校庭まで行くと、アリウは地面に座り込んで一息をついた。
「学校ってこんななのか?」
「いえ、坊ちゃんが特徴ありすぎるんですよ」
「そうか?」
二人がそんなやり取りをしていると、部活をしている人たちにじっと見られた。
「なんかさぁ……あいつ、新入生だろ?いきなりあんな服とか調子のりすぎだろ」
「ボールあててやろうか」
「特徴?変なところがあるってことか?」
「いえ、そういうわけでは……」
アリウが拳を握り締め、顔に血管を浮かべる。
「だいたい僕は好きでこ……ぐはっ!!!」
ボールがアリウの顔に当たる。
ぱったりとアリウは気を失ってしまい。
鼻からバタバタと鼻血をたらす。
「!!坊ちゃん!!」
エヴァルはボールが飛んできた方向をみる
「すっげー!!本当にあてたぜっ!!」
「お前コントロールよすぎ!!」
サッカー部がげらげら笑う中、エヴァルはサッカーボールを拾うと片手で握りつぶした。
「貴方方、わざとやりましたね?私の坊ちゃんに怪我を………」
それを見たサッカー部員はあっという間に逃げていた。
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