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帰宅前のSHR。
アリウは鼻にティッシュをつめて出席いたしました。
「あの、坊ちゃん。大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫……だ……」
若干鼻声のアリウは遠い目をしている。
「今後このようなことがないように制服で登校してはいかがですか?滅多に着るものではないのですし……」
「そうだな………とはいいたいが……あれだと肩が上がらないんだよだからやだ。」
ばっさりとしたアリウの意見にエヴァルはため息をついた。
「分かりました。私は坊ちゃんの執事です。あなたの盾となりましょう」
「当たり前のことだ、今更知ったというような顔をするな」
二人のやり取りをとなりのクラスメイトが呆然と聞いていた。
その視線に気づいたのかアリウがクラスメイトをじっと見る。
「なんだ?何か用か?今、話の最中だ。分からないのか??」
「いや、分かってないのは君だと思うけど……」
アリウが頭に疑問符をつける。
クラスメイトが教卓を指指した。
「あ、」
先生のお話中でした。
「おほん。話の最中なんだが?」
「す、すいません」
アリウは顔をうつむけてしまった。
「まぁ、気にすんなって。そのうち誰も話聞かなくなるからなっ?」
「あ、あぁ……ありがとう」
(このまま友達ができてくれるとうれしいのですが……まぁ、坊ちゃんなら大丈夫ですよね)
主の学校生活の行方を心配するエヴァルでした。
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