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朝食を済ませたアリウの食器をエヴァルは黙々と洗っていた。
ふと、エヴァルの目の端にアリウがリビングをうろうろする音が聞こえた。
「…何をされているんでしょうか?」そんなことを思いながら洗い物をはやくすませてからエヴァルはリビングへと向かった。
「ぼっちゃん?先程から部屋中歩きまわっていたようですが、いったいどうされたのですか?」
「……学校には何を持って行けばいいんだ?」
「あぁ、そう言うことですか、今日は入学式で勉強はありませんから教科書は要りませんよ。
しかし何かメモをしなければならないかもしれないので筆記用具は持って行きましょう」
淡々と言葉を紡ぎだすエヴァルをアリウは睨みつけた。
「メモ?それはお前の仕事だろう。全て聞いて覚えろ」
「…分かりました」
それだけ聞くとアリウはふんっと鼻を鳴らしてテレビをつけた。
「これが見終わったら登校するとしよう」
「しかし坊ちゃん。それからでは学校に遅れてしまいます」
「お前が連れていくんだろう?なら早くつく」
エヴァルは何も言い返さずに家事に戻った。
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