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可愛くないガキ。と心の中で悪態をつきながら、フェザーの姿が変化していく。
闇に紛れることのできる黒い翼に、剣では傷付けることも出来ない固い鱗。
その背中に飛び乗り跨がるエルバを最後まで見ると、翼を動かし、上昇していく。
風に上手く乗ることが出来た、エルバは口を開く。
「この仕事が終わったら。一日、魔界にいてくれないか」
『なに、馬鹿な事を言ってるんだ。俺が居なかったら、誰がお前を護るんだよ』
「………墓参りに行きたいんだ」
消え入りそうな声で言うとフェザーにはちゃんと聞こえていたのか、それ以上何も言わなかった。
『本当は、一人にしたくはない』
これが、フェザーの本音なのだろうがエルバにとってそれは過保護すぎる。
「何かあれば。喚び出す」
その言葉で納得してもらい。
エルバとフェザーは目的地に辿り着いた。
背中から飛び降りた、エルバは腰に差していた剣を抜き出した。
そして、フェザーもドラゴンの姿から人の姿へと変わった。
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