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~理事長室~
夏は校舎内の地図を頭に叩き込んだおかげで『迷子になって、うっかり生徒会長に出くわす』という試練をクリアしていた。
夏(ここまでは順調。しかし、油断したらダメだ。)
夏は常に警戒し、理事長室の扉をノックした。
?「どうぞ、お入りください。」
夏「失礼します。」
入室許可があったので、夏は扉を開け、一礼した。
中にいたのは若い男性。
年齢は30前半だろう。
?「赤坂夏君ですね?私は理事長代理の時雨秋彦(しぐれ あきひこ)といいます。」
夏「理事長代理?」
秋彦「色々と事情がありまして。」
内密なことのようで、そこまでは教えてくれなかった。
秋彦「この学院については資料だけでわからないところがあるでしょう?説明しましょう。」
夏「はい、まあ。でも、学院生活を過ごす間に慣れると思いますから、大丈夫ですよ?」
秋彦「そうですか。」
秋彦はニッコリ笑い、夏にカードキーを渡す。
残念なことに、『編入テスト満点の外部生』という試練は失敗してしまった。
夏は中学までアメリカにいて、飛び級制度で大学も卒業しているからだ。
秋彦「これが、カードキーです。これが学院のロッカーと部屋の鍵、食堂の財布となっていますので気をつけてください。」
夏「わかりました。このあとは職員室に?」
カードキーを受け取った夏が秋彦に聞く。
次は『担任の先生に気に入られて、クラスの生徒からブーイング』という試練がある。
転校初日は気が抜けない。
秋彦「はい。次は職員室へ。担任の先生は荒波海(あらなみ かい)先生ですので、呼んでみてください。」
夏「わかりました。では、失礼しました。」
夏は一礼し、理事長室を去った。
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