ゴキブリの章

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父ちゃんは帰ってくることはなかった 俺は大きく成長した 母ちゃんからは外は危険だからでるなといわれていたが でていた するとおおきななにかが 俺を襲ってくる かろうじて隙間ににげこんだが兄弟達はにげおくれ目の前で殺された 危険はこういうことなのだろう このおおきななにかに見つからずに食糧を手に入れなければならない 次の日おれは 見た 兄弟が新聞紙で潰されるのを 助けてと顔を歪ませ叫んでいたが おれはどうすることもできなかった 陰から見るしかなかった 夜 兄弟は天井から落下し横たわっているおおきななにかに喰われた おおきななにか睡眠中のようだがバリバリと音を立て飲み込まれていった 兄弟達は減っていった ある兄弟は我等が天敵鬼のアシナガ(くも)にくわれ またあるものはおおきななにかに噴射されたりつばされたりで殺された 目の前で兄弟を失うのはたくさんだ 俺は復讐を誓った
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