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「ていうかぁ、さっきの話なんだけどぉ」
間延びした話し方で琳が私に話しかけけてくる。
「さっきの話?」
「……大型ワンコくん、の話…」
私が心当たりがなく、首を傾げていたら春子がヒントをくれた。
「大型ワンコ……って、ああ、雅くん?」
やっと思い当たる人物を探し当てると、琳はコクコクと少し大袈裟なまでに頭を縦に振った。
それにしても、大型ワンコって…………
分からなくもないんだけど……
私の言葉一言一言にいちいち一喜一憂して、その上どんな面倒くさいことを言っても、必ず笑顔でやりきる。
そして、私を見つけたらいつもブンブンと勢いよく手を振る。
もうそれはまるで犬が喜んでいるときに尻尾を振るように。
もし、犬耳とか尻尾が見えても違和感ないんだろうな……
と、いうか。想像出来る。
思わず想像出来てしまった犬耳と尻尾をつけてる雅くんを想像してしまい、私はプッと小さく噴き出してしまった。
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