あの頃の話をしようか

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「あの子が欲しい」 「あの子じゃ分からん」 「相談しましょ」 「そうしましょ」 昔流行った遊び。 ――――花いちもんめ みんな手をつないで、歌を歌いながら進んだり退いたり。 今思うと何が楽しいんだか、と思う遊び。 「……でーも、」 楽しかったんだよなぁ、とつぶやくと私は手に持っていた紙パックを潰した。 ぶしゅ、と間抜けな音と共に僅かに残っていた液体が私の顔にかかる。 「うわー、また派手にやったな」 「……うるさいよ、三木」 前からニヤニヤとしながら近付いてきた幼なじみ、三木康太(ミキ コウタ)にため息とともにそんな言葉を投げた。
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