逃げて、ずるして

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逃げなきゃ。 三木からも、私からも。 こんなこと忘れるくらい逃げて、距離をとらなきゃ。 そしたら時間がどうにかしてくれるはずだから。 ずるいのは分かってる。 だけど、どうすればいいのか分からない。 向き合ったらきっと悪化するだけだ。 ……だったら。 悪化するくらいなら。 私は顔を背けることにしよう。 どうにも出来ない。 抱き締められた痕を上からきつく握った。 「……っ、痛い……」 もう三木に抱き締められていないのに、腕が痛かった。
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