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鬼ごっこは嫌いだった。
運動が出来ないとかどーのじゃなくて、単に追うことが嫌だった。
三木を追いかけてしまう自分か嫌いだった。
いつも三木は私を追ってくる。
その間はすごく幸せだった。
遊びでも三木が私だけを見て、追ってくれるから。
だけど、だけど――。
「まるであの頃と反対」
フッと自嘲気味に笑う。膝を抱えて小さくなる。
誰にも見つけられないように。
追うことも追われることもないように。
自分をきつく抱き締めるように、さらに小さくなる。
もうこれ以上、誰も私の恋心を傷つけないで。
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