花いちもんめ

鬼ごっこ

私たちがやってきたのは水族館。私が行きたいと言ってデートのプランにいれてもらった。私たちはまだ高校生で、ましてや雅君は年下。漫画のように入場料は男の子が奢ってくれる……なーんてことはなく、自分の分だけ払って中へと入る。

別に特別、魚が好きなわけじゃないし、イルカのショーが見たかった、だなんて思ってるわけでもない。

ただ、水族館という場所に誰かと来たかった。

「麻衣先輩？」
「あっ、あぁごめんごめん。
　魚見て回ろうか」

だめだ、だめだ。
また意識が雅くん以外に飛んでいっちゃった。

今私は雅くんとデートをしているのだから。