31人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい、待て」
と少年の手首を持つ、銀髪に銀色の瞳で色白の男さっきの声の主だ。とても優しい雰囲気を持つ綺麗な男性だ。
少年は手を持たれた事により男を初めて見て
「何?貴方達には関係無いはずだ。人間がこの地に居ようが居まいが」
すると男性と女性が表情を歪め
「心配だろ。まだ幼い少年が雨の中、危険な森に一人でいるなんて」
「そうですよ。お母様とお父様は?」
すると少年の無表情が微かに崩れ悲しそうな表情をした。
「俺は、一週間前にこの地で捨てられた」
と言うと目を逸らした。
「そうですか。辛かったでしょう。我慢しなくてよろしいんですよ」
と女性は優しく少年を抱きしめた。
少年は暫く警戒をしていたがなぜだか涙が溢れ出て女性の服に捕まり泣き出した。
最初のコメントを投稿しよう!