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「離せ」
少年はシエルの腕の中で暴れた。
「大丈夫。身代わりなんて思ってない。私達は君を通して産まれるはずだった子供を見たりしない」
少年は暴れるのをやめ微かに震え涙を流しながら震えた小さな声で
「本当に?」
と呟いた。シエルは抱きしめる力を強くして
「ああ、絶対しない」
とはっきりとした口調で言った。
「分かった。じゃあ、シエルさん名前付けて」
恥ずかしそうに微笑みながら言った。
シエルは嬉しそうに微笑み
「ありがとう。じゃあ、レイガはどうだ?」
少年は名付けられたばかりの名前を聞いて
「レイガ」
とゆっくり呟いた。
「ああ、魔族の神の一人で全知全能の神だ。その神は自分の力を使って私達を護ってくれる優しい神。お前にも優しく育って欲しいからレイガ」
少年は嬉しそうに微笑みながら
「レイガ、いい名前」
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