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「ごめんな、人間に食べさせてやれなくて。
普通に死なせることもさせてやれなくて。」
人間は眉間にシワを寄せていた。
―――どういうこと?
人間は餌を僕達にまきながら、言葉が通じない僕達に言った。
「原発っていう人間の生活に必要なものが原因なんだ…。
許してくれ……。」
なにが言いたいのだろう。
とりあえずお腹を空かせた僕達は餌をたくさん食べた。
―――。
僕はこのにおいを知っている。
お母さんがいなくなったときにしたにおいだ。
これが…“炎”。
目が覚めたらそのにおいがした。
その赤い色が見えた。
――ああ、お母さんもこの中に入れられたんだな。
僕は悟った。
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