東方賭博遊戯

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「何かあったの?」 「それが……変な人間に勝負しようって挑まれて……」 「ババ抜きで?」 「いや、花札……あれ、なんで弾幕勝負じゃないって分かったの?」  意外な質問に、ミスティアは目を丸くする。 「ちょっと野暮用でね、そいつを探してんのよ。しかし変な奴ね。妖怪相手にカードゲームで勝負なんて」  霊夢はうーんと顎を撫でながら考える。 「ところで、みすちーは何を取られたの?」 「……鰻」  リグルの質問にミスティアは心底悔しそうに呟く。 「今が旬なのにい!」 「取れるもんならなんでもって感じだねこりゃ……どうするの?」 「愚問ね」  リグルの問いに、霊夢は自信に満ちた目で返す。 「そいつにとりあえず勝てばいいだけじゃない」 「でも勝てるの? 霊夢が弾幕勝負で負け知らずなのは知ってるけど……今回は違うっぽいよ?」 「だからこそよ。たとえ弾幕勝負以外でも、私に挑んだらただじゃ済まないってことを教えてあげなきゃ!」 (いや、挑むのはこちら側なんだけど……)  根拠無く自信満々の霊夢の様子に、リグルは苦笑するしかない。 「それじゃあミスティア、教えなさい。そいつは今どこにいるの?」 「仇取ってくれるの?」  チルノと同じパターンである。 「ただし、勝ったら私に鰻料理三食分くらいは奢ってもらうわよ?」 「ぬぬ……足元を見て……」  背に腹は代えられない。ミスティアは渋々条件を承諾し、もと来た道の奥を指指した。 「あの奥に、日当たりのいい場所があるんだけど……そこで休んでたわ。荷物がかなりあったから、多分まだいると思う」 「上出来ね。これで今夜は鰻パーティーよ!」 「鰻の仇だ!」 「いや、君の仇でもあるんだからねチルノ……」  意気込む二人に振り回される一人。そんな一行が森の闇に消えていくのを見つめながら、ミスティアは呟いた。 「……お酒は有料でいいよね?」
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