序章

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高校を入学してから一ヶ月がたった。 着慣れないブレザーにもやっと慣れてきた。 桜も散り新緑が深くなるこの季節、授業を受けずに屋上で寝るのが一番! 最近のお気に入りは貯水タンクの裏でのお昼寝なのです。 良い感じに日が入り、タンクが影を作ってくれて御蔭で私は寝放題。 うん、今日も良い昼寝日和だ! 『・・なんとまぁだらしない顔だ』 「うるさいなー ほっといてよ」 『フン。 お前のような奴が俺の相棒とはこれから先思いやられる』 「・・・は、」 あれ、私ってば誰と話してるのかな。 今は授業中だから優等生くんは勿論、余程の馬鹿でない限り授業はサボらないはずなのに・・・ あ、決して私は馬鹿の部類には入りません。 『そういう思考をしている時点でお前は馬鹿なのだ わからないだろうがな』 「いや、うん そもそもあんた誰よ」 私を見下ろすのは、艶やかな黒髪を肩で緩く縛り浅黄色の着流しを着た男。 男のくせになんて羨ましい綺麗な髪なんだこいつは。 色々ツッコミたいところもあるが今は誰か、だ。 うん、私の選択肢は間違ってないね。 『・・石田三成 この日ノ本を天下統一する男だ』 「わーすごーい尊敬しちゃーう」 『棒読みとは貴様、命が惜しくはないのか』 「だってそんな戦国武将みたいな話・・・」 ん?待て、石田、三成・・ 何処かで聴いたことあるな。
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