第一章

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その視線にいたたまれなくなった僕は、とにかく言葉を発しなくては、と思い未だ頭を下げ続けている彼女に向かって話しかけた。 「えっと…それは僕に対して言ってるってことでいいんですか?」 念のための確認だ。彼女は僕の方に向いて告白してきたが、もし違う人に向けての告白だったら、僕はとんだ赤っ恥をかく羽目になる。間違いなくトラウマ決定だ。 しかし、そんな心配は必要なかった。 「そうだ、君に言っている。佐藤凛君」 漸く、頭を上げた彼女にそう言われた。凛とした美しい声で。 思わず聞き惚れてしまいそうなほどに…
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