第一話 お隣りさんは暴風雨

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 その少女は俺の顔を見るなり、その美しい顔をしかめた。  「広木、遅いわよ!」  「……お前が早いんだよ」  この少女の名は進道 希(しんどう のぞみ)、俺の幼なじみだ。  そして、我ながらベタだと思うがお隣りさんでもある。  どうやら、今朝もここで朝食を食べるつもりらしい。 「いいえ、あんたが遅いの!」 「遅いったって……まだ7時半になったばかりだろう」  先程も述べたが、遅刻には程遠い時間だ。  特に入学式が早いわけでもないし、いつもの俺からしてみれば、この起床時間は上出来だと言える。
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