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その少女は俺の顔を見るなり、その美しい顔をしかめた。
「広木、遅いわよ!」
「……お前が早いんだよ」
この少女の名は進道 希(しんどう のぞみ)、俺の幼なじみだ。
そして、我ながらベタだと思うがお隣りさんでもある。
どうやら、今朝もここで朝食を食べるつもりらしい。
「いいえ、あんたが遅いの!」
「遅いったって……まだ7時半になったばかりだろう」
先程も述べたが、遅刻には程遠い時間だ。
特に入学式が早いわけでもないし、いつもの俺からしてみれば、この起床時間は上出来だと言える。
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