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新潟・新潟市内
ここは昔、人口15万人の大きな町だった。
今じゃまるで廃墟だ。
これが従軍カメラマンとして新潟に入っていた記者の最初の感想だった。
本来、乗用車が走る道を現在は栃木軍のエイブラムス戦車やらハンヴィーやらストライカー装甲車が行き交っている。
こんな先の見えた戦争の取材なんてとっとと終わして帰ろう。
記者がそう思ってしまうほどに退屈な戦争であった
しかし、逆に言えばそれはまるで嵐の前の静けさという言葉が丁度当てはまる。
実際、新潟国防軍は志熊大佐の的確な判断によってその戦力の80%を確保していた。栃木軍司令部はもちろんそんなことは知らないで新潟を手に入れたという優越感に浸っていた。
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