休息

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日光・レイの実家付近 ハアハア (ここ、どこだろ?全然わかんないや。でも、今はどこでもいいから、1人になりたい。) ハアハア (どこ行ったんだよ杏奈。ったく、だから由貴には会わせたくなかったんだよなぁ。あのブラコン女め。帰ったら説教してやる。) 東照宮 杏奈は鳴き竜の近くの石段に座っていた。 「杏奈っ!!」 「…………。」 「どうしたんだ?いきなり出ていったりして。」 「………だって。いきなりあんなに怒られたら誰だって逃げ出したくなるよ。しかもあんな可愛い娘に言われたら勝てっこないって思ったんだもん。」 「いや、ほんと悪い。やっぱり先に言っておくべきだったな。あいつだって本当は悪いやつじゃないんだ、ただ…少しだけ兄離れが遅いだけ…なんだと思う。」 「……うん。分かってるんだけど。あの娘私より可愛いから、レイがあの娘と私を比べたら嫌だなって思ったの。」 「………クスッ。」 「……?」 「妹と彼女を比べるって、お前どんだけだよ。ってか比べる対象がおかしいだろ。だから……そんな心配そうな顔すんなって。俺はお前から離れたりしない。戦場からだって必ず帰還する。……約束しただろ?」 「……うん。」 「だからそんな心配そうな顔すんなって。父さんや母さんが心配してたぞ。早く帰ろ。」 2人は東照宮を後にした。
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