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え!?
ゆいの腕をつかんだナル
「へぇ。俺に逆らう女がいるなんてなー」
おもしろいものを見たような目でゆいの顔を見つめ、フッと笑みをこぼす
それは先程のとは違い、優しい笑みだった
っ//
ゆいはそれを見て、思わず俯いてしまった
どうしよう…
間近でみたら本当にかっこよくて目をあわせられないよ//
今、ゆいは手を捕まれているのだから二人の距離はたった20センチほどである
『私、ほんとに急いでるんです…』
俯きながらも必死に声を出すゆい
「お前さ、転校生だろ?」
バッ
『ど、どうして…』
顔を上げると目が合ってしまったので、慌てて目線をそらす
ようやくそこで手を離してくれたナル
「どうしてって…おまえバカ?見たことねぇし、この学校の生徒なら今始業式でいねぇはずだから、校内にいるのは普通転校生って思うだろ?」
最初のバカという言葉に少しムッとするゆいだったが、あまりにも納得のいく理由だったので何も言えなかった
「フッ…大方、学校が広すぎて迷ってたってところか」
ナルはゆいを見下すように鼻で笑った
かーっと熱くなっていく私の顔
『別に迷ってなんかいませんからっ!』
スタスタと歩きだすゆい
すると後ろから
「なーんだぁ。せっかく校長室教えてやろうと思ったのになー」
ゆいに聞こえるようにわざと大きく言う声
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