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無意識に手に握られている紙に目が移る。
「あれは一般的な校長先生の絵だよ。より君を驚かせるために油断させようとおもってね」
確かに、てっきりあの絵に描いてあるのが校長だと思っていた。
「ほらほら、そんなとこいないでソファーに座ってよ」
床に座っていた私の腕を引っ張り、ソファーへと促す。
持っていた紙は校長に取られてしまった。
「これは千秋くんからだよね?千秋くんはすぐお説教だから困っちゃうよ。よっ……と」
3メートルは離れているだろうゴミ箱に一発で入れる校長
すごい……!
ボスッ
向かい側に校長が前かがみに座ると、常にニコニコしていた顔が突然真剣なものとなった。
そのままジーッと見てくる校長
その鋭い視線はとても小学生のものとは思えなく、怖いとさえ感じた。
「あの……校長先生?」
おそるおそる声を発すると、校長はニッと再び笑顔になった。
「いやー、ごめんごめん。お姉さんきれいだからさ、つい見とれちゃったよ。」
…………
いや、絶対嘘ですよね?
そう思ったが、さっきの目を思い出すと何故か何も言えなかった。
「あ、それと僕のことは春樹って呼んで。僕まだ10歳だから校長って呼ばれるのはちょっと…」
『ねぇ?』と同意を求めるかのようにこちらを向いて苦笑いを浮かべている
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