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「さっきも言ったように、九条さんはこの学校については何にも知らないの。だから、誰かに案内してもらいたいんだけど、どうかしら。」
「私が案内します!」
先生が言い終わるか言い終わらないかぐらいで後ろの席の子がガタっと音を立てて勢いよく立ち上がった。
いきなりのことに私の体はビクッとなる。
先生はニッコリ笑って
「そう。それじゃあお願いするわね、新堂さん。」
と言い、そのまま続けて話す。
「新堂さんだけじゃなくて、皆も仲良くするよーに。もうお昼休み20分しかないから、急いでお弁当食べてね。」
そう言うと、教室を出ていった。
はあ、やっと終わった…
内心ホッとしていると、肩をツンツンと叩かれた。
「私、新堂理沙って言うの。よろしくね」
明るい笑顔で話しかけてくる、私を案内してくれるという女の子。
初対面なのに、友達多そうだなーと思う。
「うん、よろしくね。えーっと…新堂さん。」
「理沙でいいよ。私もゆいって呼んでいいかな?」
なんだろう、すっごく胸があったかくなる…
「うん!ありがとう、理沙。」
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