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「じゃあ、早速この学校を紹介するね。って言いたいんだけど、お昼食べる時間あとちょっとしかないから先に一緒に食べちゃお」
理沙はそう言いながら、カバンからお弁当を机の上に出す。
そういえば私、お昼用意してない…
「私お昼ご飯用意してないや。」
ちょっと笑い気味に言うと、目の前にパンが現れる。
えっ?
差し出された手の方を見てみると、男の子がパンを食べながら私にパンを差し出している。
「おえあうおっ」
な、何を言ってるの?
必死に理解しようと試みる。
「あんた、食べたままじゃ何言ってるか分からないから。ちゃんと飲み込んでから言いなさい。」
理沙が指をさし、ピシャリと言い放つ。
男の子は急いでパンを口に詰め込み、恐ろしい速さで噛んで飲み込んだ。
「っぷはぁ。これやるよ!」
そして再び私にパンを差し出す。
「あ、ありがとう。」
パンを受け取り、お礼を言う。
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