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【夏芽side】
正幸さんとの、なんちゃって面接が終わった後、俺は高校への転入が許された。
転入は9月。
獣夜高校の2学期が始まるのと同時に転入する。
今日はその日の前日。
俺は寮に届いた自分の荷物を片付けるため、一人で学校に足を運んでいた。
くぅー、なんだかんだ問題は山積みだけど……寮生活って憧れてたからなぁ、すげえ楽しみ!!
なんといっても、一人一部屋貰えるってのは最高だ。
今日から寮に泊まるわけだし…ワクワクが止まらない。
「えーと…俺の部屋は……」
寮の中をキョロキョロしながら進む。
「あ!あった」
503号室、ここが俺の部屋だ。
「にしても……設備はいい、建物綺麗…ここ学校か?」
部屋に入りながら眉を潜める。
実は、ここ獣夜高等学校は私立高校で…建物は綺麗に扱われ、最新の設備が整っている。
だって!
蛇口が自動だぞ!?
手をかざせばジャーって!
寮も二つあり、二つとも6階建て。
ロビーとかあるし…キラキラしてるし…ホテルにしか見えない!
「学生がこんなに贅沢でいいのかよ…」
ポツリと言葉を漏らす。
誰も返事をするはずがな…
「いいだろ、別に」
……………。
…い、今…背後から……
「お前、考え方ちっちぇーな」
やっぱり!!
誰か居る…いや、誰か来た…
恐る恐る振り向き相手を確認する。
「どちらさま?」
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