第2問「彼らを見極めよ」

2/23
前へ
/50ページ
次へ
【夏芽side】 正幸さんとの、なんちゃって面接が終わった後、俺は高校への転入が許された。 転入は9月。 獣夜高校の2学期が始まるのと同時に転入する。 今日はその日の前日。 俺は寮に届いた自分の荷物を片付けるため、一人で学校に足を運んでいた。 くぅー、なんだかんだ問題は山積みだけど……寮生活って憧れてたからなぁ、すげえ楽しみ!! なんといっても、一人一部屋貰えるってのは最高だ。 今日から寮に泊まるわけだし…ワクワクが止まらない。 「えーと…俺の部屋は……」 寮の中をキョロキョロしながら進む。 「あ!あった」 503号室、ここが俺の部屋だ。 「にしても……設備はいい、建物綺麗…ここ学校か?」 部屋に入りながら眉を潜める。 実は、ここ獣夜高等学校は私立高校で…建物は綺麗に扱われ、最新の設備が整っている。 だって! 蛇口が自動だぞ!? 手をかざせばジャーって! 寮も二つあり、二つとも6階建て。 ロビーとかあるし…キラキラしてるし…ホテルにしか見えない! 「学生がこんなに贅沢でいいのかよ…」 ポツリと言葉を漏らす。 誰も返事をするはずがな… 「いいだろ、別に」 ……………。 …い、今…背後から…… 「お前、考え方ちっちぇーな」 やっぱり!! 誰か居る…いや、誰か来た… 恐る恐る振り向き相手を確認する。 「どちらさま?」
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加