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「ぷっ、あははは!すんげー警戒心剥き出しだな」
俺が振り返るなり、相手は笑い出した。
あ、そこに居たのはもちろん男なわけで…つか、女を見たためしがない。
「他人の部屋に勝手に入って来る人を、警戒するなと言う方が無理がある!」
「まー、そりゃ、そうだな」
男は苦笑しながら話す。
「それより…どちらさまって聞いてんだけど?」
見た目からしておそらく、同学年か先輩。
「あ、悪ぃ、悪ぃ!俺は坂町圭吾」
さかまち…けいご……
坂町圭吾……どっかで…
『坂町圭吾君には気をつけてね』
!!!!
正幸さんが注意しろって言ってたやつ!!
嘘だろ!
向こうから来ちまったぞ!?
「……あの、これから荷物片付けるんで出てってもらえます?」
とりあえずはコイツを外に追い出そう……。
「……へぇ、俺のこと知ってたわけ?」
「な!知らねぇよ!」
何故バレる!!
「お前さ、顔に出やすいって言われたことない?」
「……………」
やっちまった………
また顔に出てたわけですか?
「あははは!お前面白いやつだな」
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