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【圭吾side】
『俺がお前の思い通りになると思うなよ…!!』
「ぷっ……くくくく」
今思い出しただけでも笑える。
俺は夏芽の部屋から自室に戻り、ベッドに横になっていた。
仮眠をとるつもりだったが、さっきから夏芽が頭から離れないせいで眠れない。
俺、坂町圭吾は、転入生の顔を拝見するためだけに夏芽の部屋に訪れた―――はずだった。
「こんなに夢中になるなんてな…」
俺が夏芽の部屋で見たもの。
それは写真以上に綺麗な夏芽と、考えもしなかった俺好みのキャラ。
強気なくせに隙があり、ころころと表情を変えて、からかえばすぐむきになったり。
いじりがいがあるやつは大好物だ。
だから、夏芽にしたキスも、ぶっちゃけおふざけだった。
あいつがどんな反応するか気になったから。
でも、夏芽は俺の考えを越えた態度をとった。
本気で嫌がって、人の唇まで噛みやがった。
まー…一般的に考えて、いきなり初対面のやつにキスされれば怒るか呆然とするのが普通だろうが……。
俺にキスされて嫌がるとはな。
「……一応この学校で一位、二位を争う美貌だぜ?」
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