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ぶっちゃけ、自己紹介とか苦手だ。
何を話したらいいかわからね。
「おい、岸川入れ~」
教室から声が聞こえる。
うわ、まさかこんなにも王道な入り方をしなくちゃならないなんて…
俺は高鳴る胸と軽く震える手を抑えながら扉を開ける。
すると…
「夏芽、お・は・よ!」
扉を開けた瞬間、誰かが俺に飛んできた。
「ぅわっ!!ーっいてぇなっ!なんなんだよ!?」
俺は誰かさんのおかげで床に尻餅をついた。
そいつは何故か俺の上にいるし…
「誰だお前っ」
「な…、昨日の今日でもう忘れたのか!?」
「……?………っ!!!!さ…さかま…ち!?」
先程は勢いよく飛んできたせいで顔がよく見えなかったから、誰だかわからなかったけど……
まじまじと確認したところ、俺が会いたくない人No.1…ましてや顔を忘れることなんてない…坂町圭吾だ。
「おー覚えてたか」
「な、な…なんで…お前が…」
「なんだ?お前等知り合いか?」
二人で会話してしまっていた俺達に篠宮先生が声をかけてきた。
「まぁな」
「…………」
俺は言葉を返すことも出来ずその光景が嘘であってほしいと願うばかりだ。
「そうか、まーそれはいいが…岸川、他のやつに自己紹介頼む」
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