第2問「彼らを見極めよ」

15/23
前へ
/50ページ
次へ
ゴゴゴゴゴ という効果音が似合いそうな、威圧感たっぷりの坂町がいた。 「こいつは俺のモノだから」 そう口にした坂町は、俺を後ろから抱きしめるように腕で包み込んだ。 「………は!?」 俺は思わずポカンと口を開く。 だってそうだろう? 何がいつ、どうなって俺が坂町のモノになったんだっ!! あぁああ!! イライラする!! 「ふざけんなっ、離せ馬鹿野郎っ」 俺は坂町の腹にひじ鉄をくらわせた。 「ゴフ……ひ、ひでぇ……」 坂町はフラフラとその場にしゃがみ込む。 「あははっ、随分と面白い子が入ってきたねぇ~」 「…?」 俺が坂町を睨んでいると後ろから、俺に声がかけられた。 声の持ち主の姿を見て少し驚く。そいつは随分と可愛らしい容姿と身長をしたやつだった。 「はじめまして~、僕、滸乃江紫苑。よろしくね~」 「あ…、よ、よろしく」 坂町とこんなやり取りをしている中、何の躊躇いもなく場を進める滸乃江紫苑(コノエシオン)。 ものすごくマイペースな感じがする。 「さ、さ、先生も困ってるだろうし、圭吾なんてほっぽといて席に着こう?」 滸乃江は俺の背中を押し、空いている席に案内してくれる。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加