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ゴゴゴゴゴ
という効果音が似合いそうな、威圧感たっぷりの坂町がいた。
「こいつは俺のモノだから」
そう口にした坂町は、俺を後ろから抱きしめるように腕で包み込んだ。
「………は!?」
俺は思わずポカンと口を開く。
だってそうだろう?
何がいつ、どうなって俺が坂町のモノになったんだっ!!
あぁああ!!
イライラする!!
「ふざけんなっ、離せ馬鹿野郎っ」
俺は坂町の腹にひじ鉄をくらわせた。
「ゴフ……ひ、ひでぇ……」
坂町はフラフラとその場にしゃがみ込む。
「あははっ、随分と面白い子が入ってきたねぇ~」
「…?」
俺が坂町を睨んでいると後ろから、俺に声がかけられた。
声の持ち主の姿を見て少し驚く。そいつは随分と可愛らしい容姿と身長をしたやつだった。
「はじめまして~、僕、滸乃江紫苑。よろしくね~」
「あ…、よ、よろしく」
坂町とこんなやり取りをしている中、何の躊躇いもなく場を進める滸乃江紫苑(コノエシオン)。
ものすごくマイペースな感じがする。
「さ、さ、先生も困ってるだろうし、圭吾なんてほっぽといて席に着こう?」
滸乃江は俺の背中を押し、空いている席に案内してくれる。
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