君の方程式

第２問「彼らを見極めよ」

しかし…苦難の日々は始まったばかりだ。

「なぁ、なぁ、岸川って元どこ高？」
「岸川、実家どの辺？」
「彼氏とかいんの？あ、彼女でもいいけど」

朝のHRが終わると、俺はクラスの奴らから質問攻めにあった。

興味が湧くのは、まぁわからなくもないけど…お前等基準の質問をするなっ!

最後の質問とか明らかにおかしい。

「あ……あはは」

困った。
元々、こういうふうに注目されるのは苦手だ。
だから、どんなふうに接すればいいかわからない。

面倒臭い!!
と思ってしまうから。

「岸川、俺が学校案内してやろうか？」
「おま、ぬけがけすんな!!」
「早い者勝ちだろ」

あーあ
揉めてるよ。

どうするかなぁ…

勝手にワイワイと盛り上がるクラスメイトを前に、困る俺。
そんな時、ふと声がかかった。

「それは僕の仕事だよー」

「あ…」

滸乃江だ。
学級委員長が来てくれた!!

「川岸くん、来て？」

滸乃江はきゅるるんっ、とした瞳をしてこちらを伺う。