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「もっと自覚するべきじゃないかなー…」
苦笑気味に話す滸乃江。
なんだか前にも同じようなことを言われた気がする。
「なんで自覚する必要があるんだ?」
「無防備すぎだから、かなぁ」
「無防備……?」
よくわからない、といった顔をしながら首を傾げる。
「んー…まぁ、とりあえず圭吾や僕がついてれば大丈夫だと思うけどなぁ…心配」
一人で話しを進めながら歩きだす滸乃江。
おーい。
俺ってば置いてきぼり?
「ま、今はいいやっ」
笑顔をこちらに向けてくる。
「は、はぁ…?」
だめだ。
この学校に来てから俺は首を傾げてばかりだ。
そんなことを話しながら校内を歩き続けていると、一つの教室の前で滸乃江の足が止まる。
「ここは?」
「空き教室、ちょっと待っててね。――おーい、連れて来たよー?」
滸乃江がドアに向かって声をかける。
何をしているんだろう…?
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