第2問「彼らを見極めよ」

19/23
前へ
/50ページ
次へ
「もっと自覚するべきじゃないかなー…」 苦笑気味に話す滸乃江。 なんだか前にも同じようなことを言われた気がする。 「なんで自覚する必要があるんだ?」 「無防備すぎだから、かなぁ」 「無防備……?」 よくわからない、といった顔をしながら首を傾げる。 「んー…まぁ、とりあえず圭吾や僕がついてれば大丈夫だと思うけどなぁ…心配」 一人で話しを進めながら歩きだす滸乃江。 おーい。 俺ってば置いてきぼり? 「ま、今はいいやっ」 笑顔をこちらに向けてくる。 「は、はぁ…?」 だめだ。 この学校に来てから俺は首を傾げてばかりだ。 そんなことを話しながら校内を歩き続けていると、一つの教室の前で滸乃江の足が止まる。 「ここは?」 「空き教室、ちょっと待っててね。――おーい、連れて来たよー?」 滸乃江がドアに向かって声をかける。 何をしているんだろう…?
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加