68人が本棚に入れています
本棚に追加
母さんがまさかのカミングアウトをしてから二週間後、正式に俺の転校が決まり名残惜しくも友達に別れを告げた。
そして今……
俺は転入先の高校に手続きに来ていて、書類を全て提出し終えた俺たちは、校長室に向かって歩いていた。
「なー、母さん」
「な~に?」
「すんなり…すんなり物事が進むのはいいんだが、……俺、転入試験の勉強とかしてねーぞ?」
「なにいってんのよ、転入試験なんてないわよ」
「え、そうなのか?普通あるものだと…」
(そのために校長室に行くんだと思ってた…)
「本当はあるんだけどね~、正幸さんが特別に免除してくれるって♪よかったわね」
「!!」
正幸さん神っ!
今、俺の中で正幸さんの株が上がったぞっ!
「ただ、」
「…ただ?」
「正幸さんが面接するって」
「んなっ!」
だから校長室に行くのか!!
「うふふ、面接っていってもただ夏芽の顔を見たいだけよ」
「……そう言われてもなぁ…」
何聞かれるんだろ…
すげえ不安だ。
最初のコメントを投稿しよう!