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俺は冷蔵庫を開け、朝ごはんを何にするか決めようとした。
部屋は狭いくせに冷蔵庫だけは一丁前にでかい。
冷蔵庫の中にはマヨネーズと納豆……だけ?
それにお米はもうないんだった……
あと少しで餓死してしまうぞ……
まぁまだお金は少しあるからーー本当に少ししかないがーー何とかなるか……
朝ごはんは……コンビニで買えばいいや……
サイフと携帯だけを持って家を出た。
まだ早い時間だからなのか
俺が歩いてる住宅街は静寂に包まれていて、
道には俺1人しかいない。
地図を見る限りちょっと山の方になるのか……?
俺はケータイを見ながら歩いて
地図通りに進んだ。
運転免許は持っておらず、当然車も持っていない。
すると俺の真横に空き缶回収の自転車が通った。
積んである缶の入った袋は自転車からはみ出ており、
そのはみ出た部分が俺の右手に当たった。
「痛っ……」
全く痛くないが、なぜか「痛い」と言ってしまう。
これが人間の性質なんだろう……
数分たった頃だろうか……
自分の愚かさに気づいた。
「あっ…………
自転車で来ればよかったぁぁぁぁ!」
わざわざ歩かなくても自転車だとすぐ着く距離なのに……
うわぁ! なんて俺は馬鹿なんだ!
急に叫んだ俺はフェンス越えの知らない家の犬に
「うるさい!」と言ってるかの様に「ワン!」と吠えられ、ふと我に戻った。
最近歩いてないからいい運動になるか……
ほぼ強制だがポジティブに考えた。
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