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その後も彼は何かを言っていたようなのだが、リクは手紙を読むのに集中していた。
【赤髪の少女を花嫁として迎えることにした。ひと月後の夜に森の奥に連れてこい。この手紙を無視した場合はお前達全員を惨殺する】
街に居る赤髪はリクだけだ。
つまり自分はこのヴァンパイアの花嫁とやらに選ばれたのだと、ただぼんやりと思う。
「分かりました。ひと月後にこの町を出て行きます」
リクに迷いはなかった。
というよりも既にどうでもよくなっていた。
この町には自分の居場所など元々なかったのだから……
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