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ジュリアンが鍛治屋を営むのは
城下街の古めかしい鍛治場。
彼はお客がいない時は
いつも自分の鍛錬に励む。
「ハァハァハァ・・・」
ジュリアンが鍛錬に励んでいると
彼の店に誰かが入って来た。
ジュリアンはすぐに彼らの気配に
気付くが落ち着いている。
「お前殺気出し過ぎだから
バレバレだけど?何の用?」
「おれの剣・・・鍛え直しては
くれないか?」
「おれは高いぞ?」
「アイツよりか?」
「もちろん!!腕が立つ鍛治屋に
頼めば値は張る!!おれなら尚更
・・・おれは凄腕だから出来も
最高級!!それは保障する」
「アノ馬鹿の愛弟子だけあるな?
減らず口も師匠譲りだな」
「まあな」
彼はジュリアンの昔からの客で銃士教団の1stクラス最強の呼び声高い銃士のクラウス・バジェット。
ジュリアンの師匠のカルロスとは幼なじみで親友でジュリアンにとっては教団に入った当初は教育係だったため彼らは縁が深い。
ジュリアンの正体を知る数少ない
善き理解者である。
「あれからどうだ?力は?暴れたりしてないか?」
「平気だよ、制御出来るようになった・・・油断は出来ないけど」
「お前から階級を剥奪して悪かったなお前を助けるためにはこの方法しかなかったんだ・・・」
「アンタがへこむことねえよ、それに階級は取り直したから銃士だし
・・・まあ最低階級なんだけど」
「くれぐれも慎重に行動するんだぞ?お前は暴れん坊だからな」
「うるせえ!!分かってるさアンタには迷惑は掛けねえようするさ!!だから鍛治屋やってんだ」
「そうだな」
「さあ終わったぞ」
「ありがとう」
「最近よく来るよな?派手に振り回してんのか?無理させんなよ?コイツも一応生き物なんだから」
「分かってる」
クラウスが店を去る時
ジュリアンは気付いたことがある。
彼のカオに笑顔がなかったと。
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