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「やっぱり俺の作るスープは最高だな!」
殺人鬼、零崎是識(ぜろざき これしき)。
彼は銀色に光る業務用鍋で出汁を煮込んでいた。
頭に紺色の手拭いを巻き、青色のTシャツに大量生産されたジーンズ。
さらに厚手のゴムエプロンと長靴を身に付け、いかにも「仕事だ!」という気合の入った格好。
零崎是識は殺し名序列第三位の「零崎一賊」と呼ばれる集団に属している。
二つ名、と呼ばれる通称があり周囲には「四捨五入」(ラウンド オフ)と認知されていた。
趣味 人間観察。
性癖 耳フェチ。
得物に二つ名と同名の中華包丁を所有している。
普段、彼はラーメン屋を経営している。
それはチェーン店でもなければ今流行の家系ラーメンでもない、彼が独学で一から作り上げたものだ。
彼のこだわりの味は確かなもので、メディア露出がないにも関わらず店はなかなかに繁盛していた。
昼、十一時。
調理場の中で麺を一人前の塊に区分し、具材を取りやすい位置に配置する。
研究に研究を重ねた自慢のチャーシューをいつでもスライス出来るようにまな板の隣にブロックで置く。
「さあ!今日も働くぞ!」
およそ人殺しとは思えぬ精気に満ち溢れた開店準備であった。
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