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「ダメだ!」
「璃鈴!?」
「ダメだよ! だってそうだろ? オレ、今までお前にいろいろ酷いこと言ったりしたりしてきたんだぞ。それが、彼女に裏切られたからって、あっさりお前に乗り換えるなんて……。そんなの、もうめちゃくちゃ酷過ぎるじゃないか!」
「璃鈴……」
背を向けた璃鈴の体が微かに震えている。今初めて、彼は私のことを真剣に考えてくれている。
私はそっと彼の背中に頬を寄せた。
「……いいのかよ」
長い沈黙の後、小さく璃鈴が言った。
「うん……」
「ホントにオレでいいのかよ!」
振り返った璃鈴に、私は微笑む。
「貴方が好きよ」
どうしてこんなに好きなのかわからない。だけど、この思いはもう誰にも消せない。
深く深く、お互いの舌を貪る口づけを交わしながら、私は、この先何があっても二度と彼から離れることはないだろうと思った。
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