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それは璃鈴に向けた言葉であると同時に、私自身にも向けられたものだった。
あきらめられるはずがない。忘れられるはずがない。どれだけ押し殺そうとしても、心はこの人を求め続けてる。
「う……嘘だ」
一心に見つめる私から顔を背けてそう言った璃鈴の声には力がなかった。私は追いすがり、再び璃鈴の目を自分に向けさせる。
「嘘じゃないわ。私には貴方だけなのよ!」
私を見返す瞳に、迷うような怯えるような複雑な色が浮かんでいる。
「貴方が好き……」
もう一度、唇を重ねる。私の舌が璃鈴に絡み付いたその時、私の体は強く引き離された。
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