─ 薔薇の棘 ─

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  「里中先生って、生徒さんにモテるでしょ?お母さんたちにもかな?すごく整った顔立ちだから、なんだかドキドキしちゃう」   そう悪戯に微笑まれると、思わず硬直する。 ── 一枚も二枚も上手そうな、妖しい微笑み……。 このままではいけないと、自ら話題を本来のものへと持って行った。 「ところで……世理さんのことで相談とは……」   「そうですね。もう少し先生と色んなお話してみたかったけど、時間もあれですしお話しますね」   ── ……。   少しだけ憂いを含んだ表情に、指をキュッと中に軽く閉じ込める仕草……この人は天性な表現でそう言ったのか、はたまた計算なのかが読めない。   天性だとしたら……何人もの男性が泣いて来たであろう。   ── その言葉と仕草に、表情の使い方……。   これは一種の才能だ。   男を虜にする、完璧なる才能。 美貌だけでは敵わない、才能があるのだ。    

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