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そうだな。と頷き部屋の入り口に向かい若い男と砂埃の溜まった床の上をゆっくりと足を進める。
大人が二人横に並んでも余裕をもって通れるくらいの入り口に差し掛かったところで不意に中年の男が足を止め、若い男が進もうとするのを俯きながら険しい表情を浮かべ片手で制す。
「まてカイル、何かおかしい。」
その突然の行動に驚いたような素振りも見せずカイルが見渡した先には、正面と左右に迷路のように少し天井の高い通路が広がっている。
こいつがこんな顔をしている時はいつも、ろくなことがねぇんだよな。
そう思いつつ警戒心を強めながら回りを見ていた視線を下方に向けた時にふと違和感を感じ、再び目を床に向けた。
そこに広がっていたのは雪の上を歩いたときに残る足跡のように、砂埃に残る二人の足跡とその上から新たに踏みしめられた足跡があった。
「ち、やっぱり面倒くせぇことになりそうだぜ」
小さな声で悪態をつきながら中年の男に目配せし、体勢を低く構え腰のホルダーに手を掛ける。
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