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俺の力が…必要……?
…それって、なんか。
なんか、いいな!
そうか!こいつイイ奴だったのか!!
「なんだよお前!そういう事なら早く言えよな!!」
すっかり機嫌がよくなった俺は、男の肩を何度も叩いた。
「はあ…ご機嫌を直されてなによりです。では、質問を…って痛い痛い!」
おっと強く叩き過ぎたか。
「悪い悪い!で、何だっけ?」
「えー、ごほん。動物はお好きですか?」
男は態とらしく咳き込んで、気を取り直したようだ。
ちょっと眉間に皺を寄せている。
一方俺は、今度こそ上機嫌で答えてやった。
「んー、嫌いだな。大っ嫌いだ。」
「あれ。そうなのですか?こんなに愛らしいのに」
男はいつの間にか抱き抱えた犬を、俺に押し付けてきた。
「やめろ!汚い!」
「どうやら本当にお嫌いのようで…。これは誤算ですねえ。いや逆に良いかも…」
「質問はもう終わりか?」
独り言が本格的になる前に訊いてやる。
「失礼。では手早くいきますか」
そして、こいつの質問責めが始まった。
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