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「ちょ、待て。なんだよ"あちらの世界"って」
こことは違う世界があるって言うのか?
「いやー、本当に一時はどうなることかと思いましたが、貴方に会えて良かった!まさに運命とでも言いましょうか!これで私の面子も保てます!」
「人の話を聞け!!」
大袈裟な程に喜んで、妙な踊りを踊っていた男は、俺の怒鳴り声で我に帰った。
「ああ、ご心配なさらず。貴方なら"あちら"でも何の問題もなくやっていけるでしょう」
かと思ったが、俺の訴えをスルーしやがった。
「だから"あちら"って…」
「貴方は私の力になってくれるのですよね?」
「いやそうだけど、"あち…」
「ああ良かった!ではさっそく手配をしましょう!」
こいつわざとシカトしてるな。
殴るか?
んー…だけど、頼られてるみたいだしな、俺。
真剣に悩んでいると、男が突然俺の頭に手を当ててきた。
「なんだよ、触んなっ」
「ああっすみません。もう終わりました」
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